慶應義塾大学文学部卒。NHKキャスター・気象予報士として活動後、フリーアナウンサーになり、 日テレ系列ラジオ日本報道アナウンサー、医療情報番組キャスター、企業や自治体VPのナレーター、企業の式典やセミナーでの司会・講演経験多数(一部は現在進行形)。 約13年のアナウンサー経験を活かして、 スピーチトレーナー として 「その人の魅力が伝わる話し方」「メディアに取り上げてもらえる話し方戦略」コンサルを行う。
アナウンサーのキャリアを活かして「話し方のコツ」を教えるスピーチトレーナー

慶應義塾大学文学部を卒業後、2007年にNHKに入った小島亜輝子さん。フリーアナウンサーとして独立したあとも、キャスター・気象予報士として数々の報道番組に出演しました。 プライベートでは現在2児の母。育児に奮闘するかたわら医学の道を志し、2016年に医学部に入学。医大の5年生となったいま、臨床実習で多忙を極める日々を送っています。 そんな小島さんは2011年からアナウンススクールで講師を務め、「話し方のプロ」であるアナウンサーの卵たちを育成してきました。 医学部に入学後はスピーチトレーナーとして独立。東京・麻布の会員制サロンで「話し方」の指導をしながら、「タイムチケット」を活用して個人向けにスピーチやトークのコツを教えています。
「声は自分を助けてくれる便利な道具」

■オンライン会議や面接では「伝えたいことをあらかじめ言語化」する
最近はリモートワークの広がりとともにオンライン会議を取り入れる企業が増えてきました。対面と違って一方通行になりやすいオンラインでの会話に、戸惑う人も多いのではないでしょうか。 約13年にわたりアナウンサーとして活躍してきた小島さん。TV出演の経験から、オンラインでのやり取りには「事前準備と映り方の工夫が大切」とアドバイスします。 「オンラインでは誰かが話しているときは黙っていなければいけません。限られた時間の中で言いたいことを伝えるために、会議の前にあらかじめ伝えたいことを言語化しておきましょう」 また、オンラインでは「映り方」も大切だと続けます。 「最近では面接もWebで行われることが増えました。どんなにいい人材でも、映りが悪いと一次面接で終了になってしまう可能性があります。見た目にはこだわるべきですね」 特に、女性はメイクをする際こんなところに注意をするとよいそうです。 「画面映りを意識するのであれば、眉毛は濃く描きましょう。また、アイメイクでは色味をやラメを重ねたりといった繊細なところに気を遣うよりは、輪郭をはっきりさせるといいでしょう」
■自分の“キー”を決めれば常に同じクオリティの自分が出せる
アナウンサーとして、365日、毎日TVに出演し続けていた時期があった小島さん。心がけていたのは、常に同じクオリティの自分を出すことでした。 「体調が悪くても、恋愛がうまくいかずに泣きはらしていても、毎日同じ時間にTVに出て話さなければいけません。そんなとき助けてくれたのが、自分の『声』だったのです」 常に同じ自分を出すために、小島さんは自分の“キー”を決めて収録に臨んでいたそう。 「自分の声が魅力的に聞こえる“キー”を決めて、いつも同じキーを使うように意識します。プレゼンの日に気持ちが落ち込んでいたり、体調が悪かったりしても、同じキーで話せば『いつもの●●さんだ』と思ってもらえます」 また、スピーチをするときには、第一声を高めのキーで始めると、エネルギッシュで明るい人という印象を与えられます。 「スピーチや面接は出だしの10秒で印象が決まると言われています。声に覇気がないと、やる気がないと思われてしまうことも。あなたの声が魅力的に聞こえる“キー”を一緒に探していきましょう」
元NHKキャスターから学ぶ「伝わる話し方」
以前は人前でスピーチすることの多い経営者や、昇進試験やプレゼンに臨む人から相談されることが多かったと小島さん。 最近では、YouTubeやインスタライブといった「SNS運用をしたい」という人から、話し方のトレーニングを依頼されることが増えたそうです。 「どんな職業の方も、『話す』という行為は毎日行います。それは新型コロナウイルスで人と会う機会が減っても同じ。オンライン会議などが増えて、より一層話すスキルが求められていると感じます」 「多くの養成所やスピーチトレーナーは『アナウンサーみたいに話しましょう』という教え方をします。しかし、一般の人がみなアナウンサーと同じ話し方になってしまってはつまらないですよね」 小島さんはスピーチトレーナーとして、「相談者がもともと持っている雰囲気を活かしながら理想に近づけること」を大切にしています。
ふだんから使う「日本語の話し方」を磨いてほしい

30〜40代のベテラン社員ともなると、職場で話し方を指導される機会は少なくなります。そんな現実を反映してか、「年齢の高い方ほど話し方に悩んでいる傾向があります」と小島さん。
「スピーチが苦手という人は、『わたしはスピーチが下手だ』と思い込んでいるだけの人が多いです。本人が気にしているほど悪くはないんですよ」
アナウンサーらしい快活な話し方で、小島さんはこう続けます。 「社会人で英会話を習う人はたくさんいますが、日本語での話し方を習う人は少数です。ふだんの『話し方』を磨くことで、仕事がうまくいくかもしれません。自分がどんなふうに日本語を話しているか、気軽に見直してみてほしいと思います」
ビジネスパーソンとして、営業やプレゼンで「伝える」技術を身につけたい。そんな人は、プロのアナウンサーによるマンツーマン指導で「話し方」を磨いてみてはいかがでしょうか。