優しさが売りのシンヤです。平日は上場企業で経営コンサルのチーフをやっています。それ以外の時間で、経営者や士業の相談や、20〜30代の個人に対し、幸せになるために何をすべきかを一緒に考えてます。 転職支援では、100倍の壁を乗り越え、人気ブランドの化粧品部門に合格させたことも。その子、スキルはそれほど高くないのに。「やるべきことが見えた!」や「お金の考え方が分かった!」といった感想を頂いています。 自分が子供の頃に貧しく寂しい思いをした体感から、少しでも関わる人の幸せに貢献できたら幸いです!
上場企業で経営コンサルタントをするかたわら、自身でも会社を経営しているセレンディップFP・シンヤさんに、起業を志す人に最適な「ビジネス書」を聞きました。
セレンディップFP・シンヤさんがすすめるのは、「パーソナルブランディング」「営業」「弁証法」の3冊です。
効果的な伝え方を知る「パーソナルブランディング」
パーソナルブランディングの基礎。パーソナルブランディングの方法や考え方を、成功事例を交えながら8つのステップで紹介した1冊です。
「この『パーソナルブランディング』は、価値あるブランディングについて分かりやすく書かれている本。僕自身も、キャッチコピーの付け方などを参考にしています。
マーケティングの要素もたくさん書かれていて、ブランディングについて学んだことのない人におすすめです」
個人のブランディングは「スタートアップを応援してもらうために重要」というシンヤさん。
「多くのスタートアップは、さまざまな人からの応援があって成長していきます。そして、『toC向け』はもちろん『toB向け』であっても、あなたの商品・サービスの購入を判断するのは、『人』です。
応援してもらうには、パーソナルな部分や理念を伝えることが大切。そして、それをうまくプロモーションして、覚えてもらわなければ応援し続けてもらえません。
ファンになってもらうために、ブランディングは欠かせないスキルなのです」
ロジカルな営業手法を説く「営業」
野村證券の伝説の営業マンが説く「仮説思考」のノウハウが詰まった一冊。根性論とは無縁の「営業」という仕事の新境地を拓く実践書です。
「優れたマーケティング戦略で、売り込まなくても売れるのは理想ですが、やはり営業の概念はビジネスにとって大切です。
この本は、野村證券の伝説の営業マンがノウハウの全てを明かす本。書名は、そのまんま『営業』!営業が苦手な人はもちろん、体育会系営業マンにもお勧めの一冊です」
この本で語られる「仮説思考」について、シンヤさんは「ビジネスに非常に役に立つ思考法」だと話します。
「仮説思考による営業は、『仮説と検証』から真の課題を特定し、その課題を解決するために自社のサービスや商品がいかに最適なのかをアピールする、ロジカルな営業の方法です。
自社のサービスや商品のスペックをアピールする「プッシュ型」の営業とは違い、営業先企業の納得感を得ることができます。
まずは仮説を立てて検証するというステップは、ビジネスのなかで非常に役に立つ思考です」
アイデアを探る考え方を知る「使える弁証法」
観念論哲学者ヘーゲルが提唱した「弁証法」を分かりやすく解説している本です。一つの法則から物事の本質が分かる「洞察力」、物事の未来が見える「予見力」、自然に思考が深まる「対話力」といった実践的な力が身につく一冊です。
「成功するビジネスのアイデアを探る考え方を記した本。ドイツの哲学者・ヘーゲルの思想『弁証法』をIT業系の関係者向けに紹介したものですが、ビジネスにも活用できます」
シンヤさんは、本の中で紹介される「螺旋的発展」という概念に注目します。
「どんなものが売れるのか売れないのか、ヒントになるのは過去のヒット商品です。
過去にヒットした商品・サービスが、ヒット商品でなくなり、現代風にアレンジされて再びヒットする。つまり、普遍的なニーズや課題は時代が変わってもなくならないのです。
螺旋階段をイメージしてください。横から見ると少しずつ上へ登っています(成長)。上から見ると、円を描いて元の場所に戻っています(原点回帰)。
これが「螺旋的発展」の考え方です。この考え方や手法は、ビジネスや企画の参考になると思います」
とにかくたくさんの本を読むなら「目次から」
読書から起業のヒントを得るには、どんな読み方をするとよいのでしょうか。
セレンディップFPシンヤさんにおすすめの本の読み方を教えてもらいました。
・何かを極めるなら20冊、30冊と徹底して読む
「極めたい分野があるのであれば、それに関係する本を何十冊でも読むといいでしょう。たくさんの本を読んでいるうちに、共通している部分が出てきます。そこは原理原則であって外してはいけない重要なところ。そうしたことにも気づくことができます」
・目次から見て、興味のある部分だけを読む
「たくさんの本を読むのは難しい、時間がないという人も多いでしょう。そういった人は目次をみて、必要な部分だけを読むのでもいいのです。厚みのある本をすべて読まなければならないと思うとプレッシャーになりがちですが、『読みたい部分だけ読んでもいい』と思えば手に取りやすくなるでしょう」
・ポストイットやマーカーを使って読み返しやすくする
「売れている本や人から紹介された本には、ピンッ!とくる箇所が必ず数カ所あると思います。その箇所にマーカーを引いておき、あとで直ぐ読み返すことができるように、付箋(ポストイット)をつけておくと便利です」
年間200件以上の経営コンサルタントに携わるセレンディップFP・シンヤさん

セレンディップFPシンヤさんは、上場企業に所属。事業承継にまつわる成長戦略コンサルティングや、社内のインナーブランディングを構築する人事コンサルティングなど、年間200件以上の経営コンサルティングに携わっています。
また、会社員として勤めながら自身の会社を経営し、経営コンサルティングをしている視点で事業者の相談に応じるほか、FP1級の資格を活かして若者向けに「お金の考え方」を教える活動をしています。
起業を志したとき、まずはどんなことから始めたらいいのか悩むこともあるでしょう。たくさんの本から知識を得ることも有効ですが、事業計画を分析をするときには他者の視点も重要です。
そんなときは、経験豊富なシンヤさんに相談してみてはいかがでしょうか。ロジカルな視点から課題を探り出し、思いがけない発想を得られるかもしれません。