愛称:うまみかあちゃん 夢:湘南に朝ごはんのお店を開店させること 【経歴 】サプリメント専門店にてモデルやスポーツ選手など合計1万人以上の食事指導・健康カウンセリングを実施。現在はフリーでパーソナル健康カウンセリング、ダイエットサポート、食事アドバイス、企業のレシピ開発等を行う。 【保有資格 】 ・栄養士 ・健康管理士 ・食生活アドバイザー ・栄養教諭
ダイエットの食事管理の基本

■カロリーについての考え方は?
ダイエットを決意すると、まず気になるのがカロリー。1日の摂取カロリーを厳しく制限するダイエットに挑戦した経験をもつ人も少なくないでしょう。
そんなカロリー信仰に対し、栄養士のYumika Hiraiさんは警鐘を鳴らします。 「カロリーコントロールも必要ですが、低カロリーなら良いというわけではありません。重視すべきなのは、カロリーよりも含まれている栄養素です。
栄養について考えずにカロリーだけで食べ物を選んでばかりいると、心身にさまざまな不調が表れてきます」
■正しい食事管理とは?
食事管理の方法は、1人1人の体質や生活スタイルを考慮して個別に考える必要があります。 「いくらヘルシーな食事をしても、睡眠不足などで内臓機能が低下した状態だと栄養がうまく吸収されません。そんな時にはまず内臓機能を整えて、栄養を吸収しやすい体に戻す必要があります」 現在の身体の状態をしっかり認識し、生活スタイルや生活リズムの改善も含めて行うのが、正しい食事管理であると言えそうです。
■間違った食事法によるダイエットはなぜ危険なのか
極端なカロリー制限や糖質制限などによるダイエットには次のような危険があるとYumikaさんは指摘します。 ・血糖値が急激に下がる→免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったり疲れやすくなったりする
・急激に痩せて基礎代謝が落ちる→体調を崩しやすくなる、リバウンド後の体重が戻りにくいなどの不調が表れる
・内臓機能が低下し体に栄養を吸収しづらくなる
・ホルモンバランスが乱れる 一方で、健康的なダイエットの成果はどのように表れてくるのでしょうか。 「まず自律神経やホルモンバランスが安定して、寝起きが良くなる・集中力が続きやすくなるなどの変化が表れてくる方が多いです。
健康的な食生活を3〜4か月程度続けると、徐々に体重や体型にも効果が表れ始めます。
早く痩せたくて焦ってしまいがちですが、血液は3〜4か月程度で入れ替わると言われているため、短期間の取り組みで体内から変わることはないと覚えておきましょう」
ダイエット中の食事管理で気をつけたいこと

「ダイエット中に摂取すべきものは人によって違います」と言うYumikaさん。 Yumikaさんのカウンセリングでは、以下のステップを踏んで食生活を提案していきます。 (1) 「体重」「体脂肪」「生活活動強度」から、その人の基礎代謝や必要最低限の摂取カロリーを計算する
(2) ダイエットの目標に応じて「PFCバランス」を設定する
(3) (1)で計算した必要カロリー内で、(2)で設定したPFCバランスを達成できる食生活を提案する PFCバランスとは「Protein(タンパク質)」「Fat(脂質)」「Carbohydrate(炭水化物)」の頭文字をとった言葉で、摂取カロリーの中で3つの栄養素がどのくらいの割合を占めるかを示しています。
「減量したい」「筋肉量をアップさせたい」などダイエットの目標によりPFCバランスは変わり、筋肉量をアップさせたい人にはタンパク質の比率が高いPFCバランスを設定します。
「生活スタイルや食の好み、ダイエットの目標は十人十色で、すべての人に共通する『食べるべきもの、避けるべきもの』はありません。現在の自分の状態と目標を正しく認識して、流行や情報に惑わされずに自分に必要なものを摂取することが大切です」
■甘いもの、お酒は摂取してもいい?
ダイエット中には禁物とも思える「甘いもの」と「お酒」ですが、Yumikaさんはどちらも摂取OKと言います。
「『昼に甘いものを食べ過ぎたら夜はご飯を少なめにする』、『缶ビールなら1日1本』など調整しながら楽しむ分には問題ありません」
ただし、大量の飲酒には注意が必要です。筋力アップを目指して積極的にタンパク質を摂取しても、大量に飲酒をすると筋肉の合成に関係するホルモンに悪影響を与えるため、筋肉アップにつながりにくくなるそうです。
健康的なダイエットのための食べ方の工夫

ダイエット中は食事の摂り方についても気になるもの。「食べる時間帯」「食べる順番」「食べる量」について、工夫すべき点を聞きました。
■食べる時間帯
食べる時間帯については神経質になりすぎる必要はありません。
食事が夜遅くになる場合には、肉や魚、卵などのタンパク質をメインにして主食を控えめにすると、胃腸への負担を減らせます。
■食べる順番
ダイエットの観点から見れば食べる順番もそれほど気にする必要はありません。血糖値が気になる人は、野菜を先に摂取することで血糖値の急上昇を抑えられます。
■食べる量
腹8分目が理想ですが、自律神経が乱れている人は満腹中枢がうまく機能せずに食べ過ぎてしまう傾向があります。そういった人には、まずは自律神経を整える食事や生活習慣のアドバイスをしていきます。
一方で消化機能が弱く一度にたくさん食べられない人もいます。その場合には食事回数を増やして少量ずつ食べることをおすすめします。
意外にも、ダイエット中の食べ方に厳密なルールは設けていないというYumikaさん。
「食べ方についてのルールは緩いくらいの方が長続きします。太るか太らないかは摂取エネルギーと消費エネルギーの差で決まるため、1日の総カロリーを決められた範囲内に収めることの方が大切です。
お酒を飲み過ぎてしまったりカロリーを摂りすぎてしまったりした場合は、その日以降の食事でコントロールしていけばOK。週末にカロリーオーバーしたら、翌週の水曜日くらいまではヘルシーな食事を心がけるようアドバイスしています」
ダイエットにおすすめの献立

■和食
和食にはタンパク質と良質な脂質、ビタミン・ミネラルがバランス良く含まれており、ダイエットに適した食事です。
「コンビニやスーパーの総菜でも、和食を意識して選べば栄養バランスが整いやすくなります。おにぎりなら昆布や梅、もち麦を使ったものなどがおすすめ。サラダなら海藻やキノコを摂れるものを選ぶとヘルシーです」
■洋食
油分が多くダイエット中は避けがちな洋食ですが、「選び方に気をつければOK」とYumikaさん。洋食をヘルシーに食べるためのポイントを挙げてもらいました。
・パスタ…クリーム系を避けて、オイル系、トマト系、和風パスタを選ぶ
・肉料理…揚げ物よりも脂身の少ない部位のステーキや焼き肉を選ぶ
・タレやドレッシング…塩やレモンを選ぶ
■バランス良く食べるポイントは?
・原材料がすぐに分かるものを選ぶ 納豆なら「豆」、ちりめんじゃこなら「魚」というように、一目でその食材の原材料と栄養素が分かるものを選びましょう。加工食品は原材料がすぐに分からずに、栄養バランスを考えることが難しくなります。 ・「まごわやさしい」に「こ」を追加する 栄養バランスの良い食材を表す「まごわやさしい」(ま=まめ(豆類)、ご=ごま、わ=わかめ(海藻類)、や=やさい、さ=さかな、し=しいたけ(きのこ類)、い=いも(芋類))に「こ」を追加して「まごわやさしいこ」を積極的に摂るようにしましょう。
「こ」は卵を意味しています。昔は卵の摂り過ぎは体に悪いと言われ敬遠されてきましたが、卵白に含まれるレシチンにはコレステロール値を下げる働きがあることが分かっています。タンパク質を豊富に含む優れた食材なので、1日に少なくとも1個は食べるようおすすめしています。
・品目にこだわる必要はない ○○品目以上取らねばという義務感にとらわれると続けるのが難しくなるので、こだわりすぎる必要はありません。品目数ではなく含まれる栄養に注目して選ぶことが大切です。 現在はフリーランスの栄養士として、鍼灸接骨院の患者への食事指導や健康食品会社でのレシピブック開発など幅広く活動しているYumikaさん。 「健康的に痩せて、それをキープしていくために大切なのは『制限』ではなく『選択』です」 と強調します。 「『コンビニ弁当はNG』→『コンビニで何を選ぶか』、『夜遅くの食事はNG』→『夜遅くの食事で何を食べるか』、『〇〇を食べるのはNG』→『○○を食べたら、そのぶん何をして調整するか』と考え方を変えてみれば、ダイエットはそれほどストレスには感じないはずです。
極端な制限や変更をしなくても、日々の選択を積み重ねていけば健康的に痩せることは十分にできるのです」
これまで無理なダイエットを繰り返してきた人や自分に合った食事管理方法を知りたい人は、Yumikaさんに相談してみてはいかがでしょうか。一生続けられる健康的な食習慣を身につけられるかもしれません。
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Yumika Hiraiさんのプロフィール