3DCG初心者のための「3DCGソフトの選び方」わかりやすく解説します

3DCG初心者のための「3DCGソフトの選び方」わかりやすく解説します

近年、製品開発や映画制作、アニメ制作といった現場で、3DCGが盛んに活用されています。仕事や趣味にいかすため、3DCGを始めてみたい。そんな人は、数ある3DCGソフトの中からどれを選べばよいのでしょうか。3DCGデザイナーをしながら、専門学校で3DCGの講師も務める安本精治さんに、3DCGソフトの機能やおすすめのソフトを聞きました。


安本 精治さんのプロフィール

https://www.timeticket.jp/hosts/j54t0xb369v7kf2?utm_source=ttl&utm_medium=198&utm_campaign=experiences_2

フリーランスで各企業の3DCG、映像制作しており 平行して専門学校で3DCG、映像の非常勤講師もしてます。

3DCGソフトの種類

——3DCGソフトにはどんなものがありますか? 3DCGのソフトは、特化統合に大きく分けられます。 特化型は、モデリングやレンダリング、スカルプティングなど、ある機能に特化したソフトをいいます。統合型は、特化型の機能をすべて1つに統合したソフトです。現在私がタイムチケットでレクチャーしている「Blender」という3DCGソフトは統合型です。 Blenderには特化型で例に挙げたような機能が標準で搭載されています。そのため、最近では特化型を使っていた人がBlenderに移行することも増えました。

3DCGの主な機能

——3DCGの主な機能にはどんなものがありますか? 3DCGには、モデリングや色つけ、アニメーション、レンダリングといった機能があります。

モデリング

——モデリングとはどのような機能ですか? 2Dで描かれる通常のイラストには、縦と横の情報しかありません。これに奥行きの情報が足されたものが3DCGになります。縦と横、奥行きの情報で3DCGを作ることをモデリングといいます。 美術の世界でいえば、2Dのイラストが油絵、3DCGは彫刻というイメージです。3DCGでは絵を描くというより、組み立てるといったほうが正解かもしれません。 専門的な言葉で「サブディビジョンサーフェス(細分割曲面)」といって、四角の角を丸くしてなめらかにする技術があります。3DCGモデリングではそれを使って、粘土をこねるように作品を作っていきます。 ——実際に、どんなふうに作品を作っていくのでしょうか。 3DCGは頂点・辺・面の3つで構成されています。この3つを移動・回転・押し出しをすることで、3Dモデルを作っていきます。3DCGソフトを開くとモデリングのメニューがたくさん表示されますが、実際に使う機能は「移動」「拡大・縮小」「押し出し」の3つですね。モデリングは、慣れてくれば1、2時間でできるようになります。

色つけ

——モデリングができたらキャラクターに色つけをしていくのですね。 色をつけるには、マテリアル設定を行います。ここでは、質感の設定をすることもできます。光の反射や映り込みから、金属のような質感まで、キャラクターの質感を瞬時に変えることができます。 2Dのイラストだと、質感を変えるためには一から書き直さなければいけませんが、3DCGだと設定を変えるだけで瞬時に情報が置き換えられます。

アニメーション

——アニメーションではどんなことができるのでしょうか。 アニメーションをするには、リギングといって、「ボーン」すなわち骨の設定を行います。キャラクターにボーンを入れることで、人間と同じような動きをさせることができます。 ディギングをしてキャラクターを自由自在に動かせるようになったら、キーフレームを記録していきます。たとえば、キャラクターに「手を上げて、手を下げる」という動きをさせる場合、「キャラクターが手を上げた状態」と「キャラクターが手を下げた状態」でキーフレームを記録します。

レンダリング

——制作した3DCGアニメーションは、どのようにして映像にするのでしょうか。 制作したアニメーションは、レンダリングすることで映像として出力します。レンダリングの工程では、アニメーションの工程で記録したキーフレームを計算し「手を上げた状態から手を下げた状態」のところまでをスムーズな映像にすることができます。 いわゆる「パラパラマンガ」では、「手を上げた状態から手を下げた状態」までの一連の動作を表現するのに、1枚1枚”中割”を描く必要がありました。3DCGでは中割は必要なく、キーフレームを記録することで動作を作ることができます。 アニメーションにレンダリングをして、QuickTimeなど好みの形式にして書き出すことでアニメーション映像ができあがります。

さまざまな3DCGソフト

——3DCGソフトの種類にはどんなものがあるのでしょうか。 特化型ではキャラクターのモデリングに特化した「ZBrush」というソフトが1つ特殊ではあります。粘土をこねるようにキャラクターを作ることができ、映画でも使われています。 しかし、統合型でもプラグインを使えばこうした機能を使うことはできます。 ——統合型で代表的なソフトには何がありますか? 日本では、Autodeskという会社が出している「MAYA」「MAX」というソフトが一般的で、大手CG制作会社で多く使われています。海外に目を向けると、ヨーロッパでは「Blender」を使っているプロダクションが多いですね。 日本でも、アニメ『エヴァンゲリオン』を制作している株式会社カラーが、次回の劇場版からBlenderを使用して映画の制作を行うことを発表しています。ほかにも、小規模な制作会社ではBlenderを採用しているところも多く、今後日本でもBlenderへの移行が進むのではないかと思います。 統合型ソフトにはほかにモーショングラフィックスに強い「Cinema 4D」や、3DCGの中では比較的安価な「LightWave」などがあります。

3DCGの選び方

——3DCGソフトにはいろいろありますが、何を選べばよいのでしょうか。 3DCGの制作会社への就職や転職を考えているのであれば、まずBlenderから始めてみてはいかがでしょうか。 「MAYA」と「MAX」「Blender」には、ある程度データの互換性があります。モデリングのデータであれば互換性は100%です。操作についても応用が利きますので、まずは無料のBlenderで操作を覚えていけばよいのではないでしょうか。Blenderでデモを作っておけば、就職にも有利です。 ——初心者が3DCGソフトを扱うときに、予備知識などは必要ですか? 予備知識はまったくいりません。操作方法に慣れれば、小学校6年生でも3DCGソフトでキャラクターを作ることができます。3DCGのハイエンドソフトは容量が大きく、PCの動作が重たくなることがありますが、Blenderならスペックが低いPCでも動きます。 3DCG制作を始めるうえで大切なのは、まず触ってみること。わからないことがあれば、気軽に聞いてほしいと思います。

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