妻に恋する愛妻家。一児の父。コーチングを主軸とした独自の理論で恋愛やカップル・夫婦仲に悩む人たちの思考整理を支援している。マイナビウーマン執筆、LINE「トークCARE」カウンセラー、結婚相談所ツヴァイ講師などを務めている。
「愛する妻の存在」が純愛伝道師のきっかけ

―やっちさんは「純愛伝道師」ということですが、どのようなお仕事をしているのですか?
恋愛コーチングが今の本業です。建築関係を中心に9年ほど勤めていましたが、2017年1月に退職して、恋愛アドバイザーとして独立しました。
―あえて、恋愛に特化したお仕事を始めたのはなぜですか?
ぼく自身が、恋愛と結婚によって世界観が大きく変わったからです。妻と出会う前の自分って、周りの評価をすごく気にする、かなり自分本位な人間だったんです。ところが、妻と交際するようになって、「相手事が、自分事になる」というのが自然にできるようになりました。
妻はオーケストラをやっているんですが、それだけに打ち込んできた人なので、世間で流行してるものを知らなかったりするんです。一般的に「こうあるべき」と求められているものに全然流されないところがあります。それに、とっても自然体で人と接する。
そんな妻の姿を見ていて、「これをすると、人からどう思われるのかな」「こうすれば、かっこよく見られるかな」という自分本位の考え方が「あほらしい」と思うようになってしまって。妻の価値観に触れて、自分がどんどん身軽になっていきました。
コーチングを学んで「夫婦の絆」が強固になった

―現在の恋愛コーチングでは、「思考整理」を軸にしてアドバイスしているそうですね。
今まで多くの企業に勤務してきたんですが、その中でいろんな人を見てきました。さらに元々、友人から恋愛相談を受けることが多かったんですが、その中である程度のパターンが見えるようになっていたんです。
ー「思考整理」の手法には、やっちさんが学んだコーチングのスキルも生かされているとか。
会社員時代に営業を担当していたのですが、コーチングが仕事に生かせると思ったので、2016年の10月から翌年の3月まで勉強していました。
―コーチングを学んでから、お仕事以外の生活に、どのような変化がありましたか?
1番大きかったのは、妻との結婚生活ですね。コーチングで「感情と事実を分ける」っていうのを習ったんです。前の会社を辞めて、妻と路頭をさまようことになったんですが、そんな絶望的な中でも2人の間の会話では感情と事実を切り分けて、前向きな話をするようにしました。
ーコーチングを学んだ中で、印象に残っていることは?
コーチングのメソッドの中に「自分がほしいものを現わす」(やりたいことを現実化する)という課題がありました。
その当時、ぼくはイベントを開催したかったんですが、当初は小さい規模で実績を積んでから大物ゲストを呼ぼうと思っていました。でも、そんなステップを飛ばして、最初から「やっちゃえ」と。
ゲストとして呼びたい方に連絡をして、無理だろうなと思ってたんですが、なんと快諾してくれて。しかも通常の講演料ではなく、応援価格で引き受けてくれたんです。驚きの中で開催したら、当日は30名もの方々が集まってくれました。
この経験から「やりたいことは、つべこべ言わずにやればいい」ということが教訓になりましたね。
僕が胸に刻んでいるマザーテレサの言葉に、「思考を変えれば言葉が変わり、行動が変わり、習慣が変わり、性格が変わり、運命が変わる」というものがあって、クライアントの運命を変えるにはどうしたらよいかを考えたとき、「じゃあ思考を変えればいいじゃん」と思ったんです。
恋愛における「本当の課題」を見出す

やっちさん主催・ゆるいけど明日に向かってマジで学ぶトークイベント「ゆるまじ」の様子
ー実際の恋愛コーチングは、どのように進めるのですか?
まずテーマを決めてからお話を伺います。相談者の方が話しているうちに、なぜそのような課題を持っているかが浮き彫りになっていきます。最終的に、どのような行動をしていけばよいかを導きます。
「頭で考える質問」と「感性に訴える質問」をするので、照らし合わせたときに自分が持つ課題がより具体的になって、自信を持って次の行動を続けていくことができるようになります。
こうした方がいいということが頭ではわかっているけれど、実行できないというモヤモヤがある方にはお役に立てると思います。
ー相談を受けるときに気をつけていることはありますか?
悩んでる人は、その人自身がもつ価値観と現実がずれているということが多々あります。「その人がどういう想いで生きていて、何を大切にしているか」ということを会話の中で汲み取っていくようにしています。
例えば「彼氏と別れたい」という女性の方から相談をいただいたら、「本当に別れたいの?」と直接訊いてしまうと反発されてしまうかもしれないので、本人が自分の本当の気持ちに気付くような質問を投げかけますね。
ー具体的にどんな質問を投げかけるのですか?
「彼氏って、あなたにとってどんな存在なんですか?」とか、「彼がいなくなったら、どんなことに困ります?」とか。そう尋ねてみることで、彼がいなくなると困ってしまうことに気付いたり、彼のことが本当に好きだったということを思い出したりするんです。
自分のことって自分では見えにくいから、第三者のサポートが必要です。その一方で、僕自身もそうですが、「自分で気づいたこと」って、結局は一番信頼できると思うんです。
ー恋愛コーチングを通じて伝えたいことはありますか?
あくまで僕の仕事は、相談者の中にある思いを可視化して、これからやりたいことについて議論し、次の行動に導くことです。
これまでの自分自身の経験から、誰かに「こうすべき」という指示をもらって実践してもうまくいった試しがなんですよね。「自分の中にあるもので納得することでしか、強い一歩を踏み出せない」という考えのもと、今のプログラムを作っています。
自分で答えを見つけて、自分のための行動につなげてもらう。そのために、どんどん僕を活用してほしいと思っています。